森を抜ける風、川のせせらぎ、そして世界中から集まる音楽。苗場の大自然を舞台に開催される『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、『フジロック』)は、ライブだけではない特別な体験にあふれています。15歳以下は保護者の同伴に限り入場無料、1日券 [Under 17]や1日券 [Under 22]も用意され、親子で楽しめるプログラムも充実。そこで今回は『フジロック』に初めて参加するファミリーに向けて、苗場での3日間をより快適に楽しむためのヒントをご紹介します。
日本最大級の野外音楽フェスティバルとして知られる『フジロック』。1997年に初開催されてから30年目となる今回は、ザ・エックス・エックス(The xx)、クルアンビン(KHRUANGBIN)、マッシヴ・アタック(MASSIVE ATTACK)がヘッドライナーとして登場するほか、Hi-STANDARD、Fujii Kaze、ターンスタイル(Turnstile)、ベースメント・ジャックス(Basement Jaxx)、モグワイ(Mogwai)、ミツキ(Mitski)など、国内外から多彩なアーティストが集結。メインステージから個性豊かなスモールステージまで、例年に違わず苗場は音楽で満たされる3日間となりそうです。
KIDS LAND
一方で、『フジロック』の魅力は豪華なラインナップだけではありません。大自然に囲まれた会場そのものが大きな魅力であり、ファミリーで訪れる来場者が多く、ファミリーフレンドリーな音楽フェスとしても広く知られています。子どもたちは自然の中で思いきり遊び、大人と一緒に音楽や食、アートを楽しむ。それぞれが自分らしい過ごし方を見つけられるのが『フジロック』の特徴のひとつとも言えるでしょう。
また、6月5日にはGypsy Avalon、PYRAMID GARDEN、苗場食堂など名物ステージの出演者も発表されました。子どもはもちろん、大人にも人気のスーパーユニット・ケロポンズをはじめ、親子で楽しめるプログラムやファシリティも充実しています。初めてのフェス体験として『フジロック』を選ぶご家族にとっても、安心して参加しやすい環境が整えられています。
■家族のペースで楽しもう
ボードウォーク
初めての『フジロック』では、「あのアーティストも見たい! このステージにも行きたい!」と気持ちが高まるのは当然のこと。しかし家族で参加する場合は、見たいライブをいくつか決めたら、あとは余白を残しておくのがおすすめです。
森の中にあるボードウォークを散策したり、川でひと休みしたり、気になったステージにふらりと立ち寄ったり。予定通りに行動することだけが楽しみ方ではありません。特に子どもたちにとっては、大きなステージで観たライブと同じくらい、川で遊んだことや自然の中を歩いたことが特別な記憶として残るはずです。偶然出会った音楽や景色が、忘れられない思い出になる“フジロック・マジック”をぜひ体感してください。
■名物ステージにも足を運んでみよう
THE PALACE OF WONDER
『フジロック』には、GREEN STAGEやWHITE STAGEといった数万人を収容する大型ステージだけでなく、それぞれが異なる個性を持つエリアに多彩な名物テージが点在しています。THE PALACE OF WONDER、Gypsy Avalon、PYRAMID GARDEN、苗場食堂では、音楽だけでなく、さまざまなカルチャーやコミュニティに触れることができます。
PYRAMID GARDEN
小学生以上のお子さんと参加するファミリーには、フィールド全体の電力をバイオディーゼルや太陽光などのソフトエネルギーでまかなう「NEW POWER GEAR Field AVALON」がおすすめです。中でもNGOがブースを構える「NGOヴィレッジ」には、子どもと一緒に遊びながら学べるコンテンツが充実していますし、AVALONの森の中には子どもが夢中になれるワークショップも多数点在。木陰も多いので、休憩にもってこいのエリアです。
GYPSY AVALON
■変わりやすい苗場の天気を味方につけよう
撮影=SPICE編集部
『フジロック』を快適に楽しむためには、天候への準備が欠かせません。苗場は山間部に位置しているので天気が変わりやすく、朝は晴れていても午後には雨が降り、夕方には再び青空が広がる…なんてことがしばしばあります。そんな自然の変化をダイレクトに感じられるのも『フジロック』の魅力のひとつなので、しっかり準備をしておけば、雨さえも楽しいイベントになります。
撮影=SPICE編集部
持参したいアイテムとしては、レインウェア、防水性の高い靴、着替え、タオル、防水バッグなどが挙げられます。大人にはポンチョが便利ですが、動き回る子どものレインウェアは上下セパレートタイプがおすすめです。また、昼間は暑くても夜間や雨天時には気温が一気に下がることもあるので、薄手の上着やストールなどを用意しておくと安心です。
■自然とともに過ごすためのマナー
『フジロック』は豊かな自然環境の中で開催されるフェスです。そのため、公式ガイドラインでは「野生動物に関する注意とお願い」が案内されています。会場周辺には熊や猿、イノシシなど、さまざまな野生動物が生息しており、人と動物が適切な距離を保ちながら共存することが大切です。被害に遭わないための予防として、
・食べ残しやゴミを放置しない
・子どものみで行動させない
・運営スタッフや公式ガイドラインの案内に従う
といった基本的なルールを守り、子どもには「動物を見つけても追いかけない」「触ろうとしない」ことを事前に伝えておくと安心です。
森のピアノ
■家族だけの『フジロック』を見つけよう
ザ・エックス・エックス(The xx)、クルアンビン(Khruangbin)、マッシヴ・アタック(Massive Attack)がヘッドライナーを務める今年の『フジロック』。世界最高峰の音楽を体験できる貴重な機会であることは間違いありません。
しかし、『フジロック』の魅力は出演アーティストの豪華さだけではありません。森の中で耳にする音楽、川で過ごすひととき、家族で囲む食事、そして偶然立ち寄ったステージとの出逢い。そんな何気ない瞬間の積み重ねが、かけがえのない思い出になります。
予定どおりにいかないこともあるでしょう。突然の雨に見舞われることもあるかもしれません。それでも、その一つひとつが自然の中で過ごす『フジロック』ならではの体験です。事前の準備をしっかり整え、家族それぞれのペースで楽しむこと。それが『フジロック』を満喫するいちばんのコツです。また、子どもと一緒に『フジロック』へ参加するファミリーをサポートする「こどもフジロック」の情報発信も、ぜひチェックしてみてください。
今夏、苗場でしか味わえない音楽と自然、そして家族との時間を存分に楽しんでください。きっと、あなただけの、そしてあなたのファミリーだけの特別な『フジロック』が待っています。
文=早乙女 ‘dorami’ ゆうこ