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2011年の放送から15年。痛快バディヒーローアクションアニメ『TIGER & BUNNY』が、2026年9月・10月に『「TIGER & BUNNY」THE STAGE』として上演される。

ヒーローたちが守る都市シュテルンビルトが、舞台上に出現する9月・10月を心待ちにしている“市民”は多いだろう。

情報解禁とともにお披露目されたキービジュアルでも見事なヒーロースーツ姿を見せてくれたのは、W主演を務める鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー役のspiとバーナビー・ブルックス Jr.役の塩田一期。稽古を前にした二人に、原作アニメや役への印象、抱くヒーロー像などについて、本作へのたっぷりな期待とともに熱く、ワイルドに語ってもらった。

「TIGER & BUNNY」THE STAGE      (C)BNP/T&B PARTNERS (C)「TIGER & BUNNY」THE STAGE製作委員会

「TIGER & BUNNY」THE STAGE (C)BNP/T&B PARTNERS (C)「TIGER & BUNNY」THE STAGE製作委員会

「今観てもめっちゃ新しい」原作アニメへの印象

ーー原作アニメに触れての印象と、出演が決まっての心境についてお聞かせください。

塩田:お話をいただいてから作品を観させてもらったのですが、ヒーローってやっぱりかっこいいんだなと再認識しました。そんな作品にバーナビーとして出演できることへの嬉しさはもちろん、座長という立場が今回初めてなのでプレッシャーも感じています。

spi:そうなんだ?

塩田:はい。いざ自分がこの立場になってみると、まだ稽古が始まってもないのに、こんなにプレッシャーがあるんだなと。でも今は、プレッシャーに負けず、しっかりと作品を作り上げていきたいなっていう気持ちです。

spi:長年愛されているこの大きいタイトルで、虎徹をやらせていただけるのは、本当に身が引き締まる思いで、責任をかなり感じています。僕もお話をいただいてからアニメを拝見したのですが、テーマがまず普遍的だなと思ったのと、2011年放送の作品ですが今観てもめっちゃ新しい。アニメが大好きでいろんな作品を観ているんですが、近年のアニメって間をたっぷり使うことが多くて。逆に昔のアニメって1話で今のアニメでいう5話分ぐらい進む感覚で。この作品は、ちょうどその間のいいとこ取りというか。1話での満足感も人間ドラマもアクションもしっかり作り込まれていて、熱量を感じたのが印象的でした。

(左から)spi、塩田一期

(左から)spi、塩田一期

ーー本作ならではの設定や世界観で、とくに印象的だったものは?

塩田:実在する企業のスポンサーロゴがついているのが、「それもありなんだ!?」って新鮮でしたね(笑)。

spi:たしかに。僕は先に『ザ・ボーイズ』っていう海外ドラマを観て、ヒーローが企業に所属している設定、めっちゃおもしろいなって思っていたから、それより何年も前にもうこの作品でやってたんだ! と衝撃で。あと絵としてびっくりしたのは、バニーの部屋のデカさ(笑)!

塩田:アハハハ!

spi:衝撃的なデカさだし、あの絵ひとつでバニーのミニマリストな性格が表現されていて、その細部へのこだわりが印象的でした。

ーーご自身が演じるキャラクターについては、現時点でどう捉えていますか? 共感できる部分もあれば教えてください。

spi:原作アニメでの虎徹は、哀愁のあるおじさん。ちょっときまらなくてダサいときもあるけど、熱い心があって、そこに愛を感じられる人物なのかなと思っています。共感できるところはめちゃめちゃありますね。年齢が上がるにつれて衰えていく実力と、下から突き上げてくる若手たちの脅威。そして自分の信じるものが揺らいでしまう瞬間と、戦いと、孤独と……。

spi

spi

塩田:いやいやいや。

spi:こればっかりは、そうなのよ。あと、僕はファンの方が大好きなんですが、そこはシュテルンビルトの市民のことが大好きで、人を守ることが大好きな虎徹と、重なる部分があるなと思っています。

塩田:バーナビーは傍から見たらめちゃくちゃしっかりしているパーフェクト人間みたいに思われがちだけど、虎徹さんの前でだけは、少し子どもっぽい負けず嫌い精神が出ちゃう姿が可愛らしいなって思います。僕とバーナビーって同年代なんですよ。だから、まだ大人になりきれていない部分があるというのは共感できるし、演じるうえで、バーナビーにもそういった一面があってよかったなと思いました。あと、僕も作品とかについてけっこう調べるタイプです。といっても、バーナビーほどの物量と執念には及ばないので、尊敬の気持ちが強いですね。

spi:さらっと謙遜気味に言ってますけど、一期の「調べる」はマジですごいですよ。その辺の調べ方と全然違います。読者の皆さんは、普通の人の調べるの4倍くらいだと思ってもらえれば。だからもう、バーナビーにぴったりだと思います。

塩田:いやいやいや。でも嬉しいです。

spi:「そこまで調べんの!?」って驚いたって、一期と共演した福澤 侑から聞いてます。

塩田:じゃあ、そこが似ている一面ということにさせてください!

塩田一期

塩田一期

ーー役作りでは、どういった部分を軸に作っていきたいと考えていますか?

塩田:バーナビーの過去や奥底にある復讐心は、同じ経験をしたことがないので100%汲み取ることは難しいと思いますが、いろんな方向からアプローチして彼の気持ちを受け取っていきたいですね。バーナビーがヒーローになると決意した覚悟の部分を根底に持って作っていきたいです。

spi:自分がお客さんの立場だとして考えると、少しは平田さん(アニメで虎徹を演じる平田広明)の声に寄せてよ、って思う気がするんですよ。やっぱり15年間で紡がれてきた愛を絶対に無碍にしたくない。声真似ということではなく、平田さんが作った芝居の深層的な部分、なぜこのシーンでこういう芝居をしたのか、どういう感情からこの声が出たのか、をまず研究したい。かつ、内面については、虎徹の愛情深さを大切に、おっきい愛で風通しをよくして、その空気をそのまま舞台上に乗せられたらいいなと、今は思っています。

バディに必要なものは「最終目標の一致」と「本音」

ーー虎徹とバーナビーのバディ感も本作の魅力のひとつだと思いますが、お二人は虎徹とバーナビーの関係性についてどう感じていますか?

spi:バディになろうとしてなれるもんじゃないな、っていうのは感じるんですよ。2人も最初は渋々バディを組んだじゃないですか。でも、市民を守り正義を貫くという目標が一致したから、最後には本物のバディになれた。実は、俳優にもそういうときがあって。最初は波長が合わないと感じても、最終目標が一致していれば、どんな道を辿ってもゴールに向かえる。一期とは波長が合うなと感じていますが、だからといってバディ感を出すために「僕たち仲良し! ご飯行くぞ!」みたいなことをSNSでアピールしなくていいのかなと(笑)。舞台成功という同じ目標を持つことで、結果として心の通ったバディになれればいいなと思っています。

(左から)spi、塩田一期

(左から)spi、塩田一期

塩田:バーナビーは相手が虎徹さんじゃなかったら、誰ともバディを組めてないだろうなって思ったんです。隠している本音も、虎徹さんとヒートアップしているうちにポロッと言ってしまったり。本音をぶつけ合えたからこそ、最終的には言葉を交わさずとも伝わるような最強のバディになれたと思うので、僕もspiさんのでっかいオーラに負けず、言いたいことをぶつけていきたいなと思います!

spi:どんどんぶつけてきてほしい! 一期の芝居を一度観させてもらったときの印象としては、役の表側と内側の両方から作っていくハイブリッドタイプだなと。僕も同じタイプなので、芝居がしやすいだろうなといまから稽古が楽しみです。

「折紙サイクロン見切れが楽しみ!」膨らむ稽古への期待

ーー稽古に向けて楽しみなこと、期待することを教えてください。

spi:折紙サイクロンがいかに見切れるか!

一同:(笑)

spi:立ち位置も袖とかセットとかに見切れてるのかな、とか気になっちゃって。それ見たら稽古中も笑っちゃうと思う(笑)。

spi

spi

塩田:いや~楽しみですね! ヒーローのNEXT能力をどう表現するのかも気になりますし。僕らのバイクシーンもどうするのか、気になることばっかりで楽しみです。

spi:あとはアクションが多いだろうから、ストレッチをしっかりして怪我なく走りきりたいです。

塩田:バーナビーはキックが多いので、足腰の強化と体幹をいまから鍛えていきたいなと。

spi:今回は桜庭大翔っていう筋肉番長がいるので、体に負担のないお姫様抱っこの仕方とか教えてもらうといいと思う(笑)。

ーー塩田さんは初座長とのこと。spiさんからアドバイスはありますか?

spi:自分らしく突っ走っていれば全然問題ないです! 一期はすごく真面目なので、そのままガンガン進んでほしい。その背中を見て、みんなも「一期のことは裏切れない、頑張ろう」って思うはずなんで。一期に前を走ってもらって、僕は一番後ろから包み込んで、っていう陣形で行きたいなと思っています。

塩田:わかりました! 突っ走ります!

塩田一期

塩田一期

spi:前に行き過ぎたら僕が言うし、逆に僕がふさげてて遅いときは「真面目に!」って言ってね。初座長がこんな大きな作品で最高じゃない!

ーーヒーローを描く作品ということで、お二人にとって“ヒーロー”とは?

spi:ヒーローは夢であり続けてほしい存在です。ヒーローにも抱えている苦労や大変なことがあるけど、ヒーローを応援したり憧れていたりする人にとっては、ずっと美しい存在であってほしいというか。人って憧れているときが一番前に進めると思うので、そのためにもずっと夢であってほしいです。

塩田:すごく印象に残っているのが、小さい頃に観たアニメ映画で、敵が主人公を助けていたんです。それを観て、一瞬の勇気と一歩踏み出す覚悟があれば誰でもヒーローになれるんだなと思うようになりました。

ーー最後に、公演を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

spi:孤独な人間なんていないんだっていうメッセージを受け取ったので、それを体現させていただきます。ぜひ期待して遊びに来ていただけたらなと思います。

塩田:15年も愛され続けるだけの理由を、僕もアニメを拝見して実感しました。自分が感じたノンストップな楽しさを、生身の僕らのアクションとともにお届けして、お客様を圧倒できたらいいなと思います。劇場を出たときに「今日来てよかった!」と思ってもらえる作品を作っていきますので、楽しみにしてくださると嬉しいです!

(左から)spi、塩田一期

(左から)spi、塩田一期

取材・文=双海しお    撮影=荒川 潤