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2020年より舞台に関わる資料の収集・デジタルアーカイブ化やそれらの利活用のサポートを行なってきた緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化 支援事業(通称EPAD)。2023年7月12日(水)~7月16日(日)PARCO劇場にて、舞台映像の「上映」の可能性を探る連続上映会が実施されることが発表された。

EPADはその事業の中核として「上演された時間」を残していくために、舞台作品の高画質&高音質収録や、各所に散らばっている舞台映像の収集を行なってきた。『EPAD Re LIVE THEATER in PARCO〜時を越える舞台映像の世界〜』と題したこの度のイベントでは、渋谷・PARCO劇場にて、三谷幸喜やいのうえひでのり、野田秀樹などの過去作を大スクリーンで見ることができる。

上映作品は2023年2月に上演されたばかりの三谷幸喜の傑作二人芝居『笑の大学』を8Kや立体音響といった最新技術を用いて収録した映像や、社団法人日本劇団協議会10周年記念公演として、劇作家・井上ひさしの戯曲にいのうえひでのりが挑み、様々な枠を超えたエンターテイメント作品として作り上げた『天保十二年のシェイクスピア』(2002年上演)の映像、野田秀樹がアメリカ同時多発テロに触発されて創作したNODA・MAP番外公演「THE BEE」Japanese Version ジャパンツアー(2012年上演)のデジタルリマスター版の映像だ。

また、同時期同会場ホワイエにて、上映作の舞台美術を手がけた舞台美術家・堀尾幸男の展覧会『堀尾幸男 舞台美術の記憶Ⅰ』を開催。堀尾が残してきた多くの舞台作品の模型等を紹介する。

EPADは2020年より新型コロナウイルス感染症による舞台芸術業界の危機に対して、文化庁の文化芸術収益力強化事業を受託して活動開始。2023年に一般社団法人EPADとして法人化された。設立当初より「芸術文化と共に生きる」を理念にデジタルアーカイブを作り手と観客を繋ぐ重要な存在と捉え、全国に散逸する舞台に関わる様々な映像や記録(戯曲や過去に舞台美術家が手がけた作品の資料、ポスターなど)の収集とデジタルアーカイブ化に着手。また、インターネット配信のための権利処理支援や新技術による収録支援など映像利活用のための様々なサポートも同時に行っている。