2024年2月3日(土)~2月12日(月・休)KAAT 神奈川芸術劇場<中スタジオ>(ほか神奈川県内5か所を巡演)にて、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第二弾『箱根山の美女と野獣』『三浦半島の人魚姫』を上演することが発表された。
KAAT 神奈川芸術劇場は、2021年4月の長塚圭史芸術監督就任以降、4月~8月をプレシーズン、9月~翌年3月をメインシーズンとする、シーズン制を導入し、年間のプログラムを実施している。3年目となる2023年度メインシーズンのシーズンタイトルは「貌(かたち)」。11月29日(水)~12月10日(日)に『外地の三人姉妹』を上演することが決定しているが、今回、年明けの1作目として、劇場を飛び出して神奈川県内各地を巡演する、KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第二弾を行うことがわかった。
就任初年度の2022年2月~3月に上演したKAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』では、『西遊記』の登場人物たちが、時空を超えて神奈川県内の伝説や昔話の世界に迷い込む冒険譚を、長塚が“軽演劇”仕立てで書き下ろし。KAATでの上演後、川崎・相模原・小田原・横須賀の4か所を巡演し(大和・厚木公演は新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため中止)、好評を博した。
第二弾は、世界中で親しまれている『美女と野獣』『人魚姫』、二つの物語の舞台を神奈川県に移し、神奈川県内各地域の伝説やエピソードを盛り込んで書き下ろすオリジナル作品となる。
音楽を担当するのは、NHK連続テレビ小説『らんまん』の他、KAATでも『夢の劇-ドリーム・プレイ-』(2016年)、『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』(20年、23年)で音楽を手掛けた阿部海太郎。長塚とも、これまで複数の作品で協同作業を行ってきました。振付は、バットシェバ舞踊団在籍後世界各国で数々の賞を受賞、2022年にはカルチャーセンター「beq」を熊本にオープンし、文化や芸術をカジュアルに楽しめる場づくりを目指して活動中の柿崎麻莉子が務める。
長塚と柿崎は出演者にも名を連ね、さらにKAATカナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』で孫悟空や白輪園長を演じ、県内各地の客席で笑いを巻き起こした菅原永二が再登場。また、ダンス集団TABATHAのメンバーとして活動しながら国内外の作品に出演する四戸由香は、柿崎とともに身体を用いて作品の魅力を広げる。さらに、数々の舞台に出演し、昨年はドラマ『エルピス -希望、あるいは災い-』での演技が話題を呼んだ片岡正二郎が出演。演奏には、ジャンルを越境した独創的な音楽で無二の世界観を創り出すトウヤマタケオをむかえる。
第二弾も、KAAT 神奈川芸術劇場で上演後、座間、川崎、小田原、逗子、茅ケ崎の県内5か所を巡演。公演のほかにも、長塚が各地の方々と街について語り合うトークイベントや、演劇の魅力を伝えるレクチャー/ワークショップ/バックステージツアーなどのアウトリーチ活動も予定している。
『箱根山の美女と野獣』
箱根山神山に棲まう恐ろしいヘビの元へ、人質として送られたヤネコ。
ヘビは美しく裕福な天稚彦へと身を転じるも、ヤネコは目もくれず慎ましやかな生活を願う。
ヤネコに認めてもらおうと、天稚彦はヤネコの家族を招くことを許すが…。
『三浦半島の人魚姫』
相模原市で洋食店を営む幸福な夫婦。目まぐるしくも踊るような日々の中、妻・瑠璃がいなくなってしまう。
夫・厚志は途方に暮れる。夜の江の島で出会った爬虫類専門の男に、瑠璃は、最近目撃情報が多発している「人魚」を探していると告白する。
作・演出・出演 長塚圭史 コメント
神奈川県内を巡り、その土地土地に伝わる民話や神話、歴史だけでなく、人気のお店やご当地名産品、グルメスポット、ニッチな穴場などをふんだんに取り入れて紡ぐKAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト。そのリサーチのために各所を訪れて物語の種を拾うのですが、これがまあとても楽しいのです。今回はなんとも有名な物語が2本、神奈川と融合します。再びかなり破天荒なことになりそうです。神奈川を愛する老若男女のみなさま、そして物語を愛するお子様たち、もちろん演劇を愛する皆さまにもきっとお楽しみ頂ける豪華2本立て!
音楽 阿部海太郎 コメント
異彩を放つダンサー、俳優の皆さんと、新しく作品が作れることを僕自身がとても楽しみにしています。長塚圭史さん、また面白いことを考えるなあと思いながら、誰も気づいていなかった三浦と箱根山の景色をお見せしたいと思います。出演ミュージシャンにトウヤマタケオさんを迎えます。海へ山へと旅する音楽も楽しんでいただけたら幸いです。
振付・出演 柿崎麻莉子 コメント
昨年、このKAAT カナガワ・ツアー・プロジェクトの一環として神奈川県内各地の小学校でワークショップを実施し沢山の子どもたちと出会いました。今年はこの演目で劇場をまわり、また子どもたちに会えるのでとても楽しみです!作品はファンタジーでありながら近所の珍事件みたいな雰囲気もあって、とにかくキャラクターたちが可愛い可笑しい。その魅力を体の動きを通して表現し、くすっと笑えるような振付ができればいいなと思っています。